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江坂 文孝; 鈴木 大輔; 間柄 正明
Analytical Chemistry, 87(5), p.3107 - 3113, 2015/03
被引用回数:13 パーセンタイル:44.16(Chemistry, Analytical)個々の粒子の同位体比分析はその粒子の発生源を推定する上で重要な情報を与える。特に原子力施設で採取された試料中のウラン粒子の分析は、核兵器開発につながるような原子力活動の検知の上で重要である。一般的に個々のウラン粒子の分析には、表面電離質量分析法とフィッショントラック法を組み合わせた方法が用いられているが、複数粒子を同時に測定してしまうという問題があり、場合によっては誤った解釈を引き起こしてしまう可能性があった。本研究では、上記の方法に電子顕微鏡観察下での個々の粒子の微小サンプリングの工程を組み込み、同位体組成の異なる混合ウラン粒子の分析に適用したところ、複数粒子分析の問題をほぼ解決することに成功した。
井口 一成
日本写真学会誌, 68(1), p.56 - 59, 2005/02
日本原子力研究所(原研)では、原子力関連施設における未申告活動検知を目的とする保障措置環境試料の分析技術の開発を行っている。保障措置環境試料分析法には、核物質を含む個々の粒子を分析するためのパーティクル分析があり、二次イオン質量分析法(SIMS)が有効であるが、粒径1m以下の粒子ではその検出限界から分析は困難である。そこで原研では、フィッショントラック(FT)法を応用した分析法の開発を進めており、本報告ではその分析法の概要について述べる。
Lee, C. G.; 井口 一成; 伊奈川 潤; 鈴木 大輔; 江坂 文孝; 間柄 正明; 桜井 聡; 渡部 和男; 臼田 重和
第26回核物質管理学会(INMM)日本支部年次大会論文集, p.171 - 178, 2005/00
フィッショントラック(FT)-表面電離質量分析(TIMS)法によるパーティクル分析法は、二次イオン質量分析計では測定が難しい粒径1m以下の核分裂性物質を含む微細粒子に対しても同位体比分析が可能であることから、保障措置上有効な分析手法とされている。われわれがこれまでに開発したFT-TIMS法では、核分裂性物質を含む粒子をFT検出器の中に閉じこめるので、高い検出効率,試料調製の簡便さ,ウラン濃縮度別検出の可能性などの長所がある。しかし、検出器のエッチングの際、ウラン粒子の一部が溶解することがある。そこで、粒子保持層とFT検出器部を分離した2層式FT試料調製法の開発を行っている。この方法では粒子層と検出器の一端を固定することにより、従来の2層式試料で見られた検出器のFTと目的粒子との位置ずれを解決し、目的粒子の検出効率を向上させた。最近のFT-TIMS分析法の開発状況について紹介する。
間柄 正明; 臼田 重和; 桜井 聡; 渡部 和男; 江坂 文孝; 平山 文夫; Lee, C. G.; 安田 健一郎; 河野 信昭; 伊奈川 潤; et al.
Proceedings of INMM 46th Annual Meeting (CD-ROM), 8 Pages, 2005/00
原研では、国際保障措置制度の堅持に貢献するため、環境試料分析のための極微量核物質の分析法を開発している。スワイプ試料のバルク及びパーティクル分析の基本技術については開発を終了し、2003年にIAEAからIAEAネットワーク分析所として認証され、現在ネットワーク分析所の一員として活動している。今回、マイナーアクチノイドや核分裂生成物,フィッショントラック法を用いたパーティクル分析法の開発を行い、ICP-TOFMAを使った効率的なパーティクル分析法,蛍光エックス線を用いたスクリーニング法の開発を開始したので、その概要と現状について報告する。
江坂 文孝; 渡部 和男; 福山 裕康; 小野寺 貴史; 江坂 木の実; 伊奈川 潤; 井口 一成; 鈴木 大輔; Lee, C. G.; 間柄 正明; et al.
第25回核物質管理学会日本支部年次大会論文集, p.128 - 135, 2004/00
原研は、保障措置環境試料分析のためのパーティクル及びバルク分析法の開発を行い、2003年1月にIAEAネットワーク分析所の一員として認定された。パーティクル分析法では、原子力施設内で拭き取りにより採取された試料(スワイプ試料)中の個々の粒子中に含まれる核物質の同位体比を測定できるためより詳細な情報を得ることができる。まず、二次イオン質量分析法(SIMS)をパーティクル分析に適用するとともに、試料中の粒子を試料台上にインパクター方式で回収し全反射蛍光X線分析法でスクリーニングを行う方法を開発し、一連の技術として確立した。現在、本法により国内及びIAEA保障措置スワイプ試料の分析を定常的に行っている。さらに、SIMSでは分析が困難な粒子径1マイクロメートル以下の粒子の分析を可能とするために、フィッショントラック法と表面電離質量分析法を組合せたより高感度なパーティクル分析技術の開発も開始している。
臼田 重和; 梅澤 弘一
放射線, 16(1), p.73 - 81, 1989/00
アクチノイド核種の自発核分裂部分半減期を精度よく測定することは、原子核の安全性の研究のみならず、使用済燃料の臨界安全性、中性子遮蔽等においても重要な課題である。本報では、マイカ検出器を用いて自発核分裂数を絶対測定するとともに、アクチニド核種の自発核分裂部分半減期を測定する方法を論じた。1例としてCmの自発核分裂半減期を測定し、さらに、他核種への応用の可能性についても言及した。
安田 健一郎; 鈴木 大輔; 宮本 ユタカ; 宇佐美 秀彦*
no journal, ,
保障措置環境試料分析手法で用いられるプルトニウムやウラン粒子の同位体組成分析は原子力施設等における未申告活動を検知する手段として重要であり、アルファ壊変により放出されるアルファ線の飛跡を検出するアルファトラック(T)法や、中性子誘起核分裂により生じる核分裂片の飛跡を検出するフィッショントラック(FT)法が多用されている。しかしながら、これらの方法は粒子の位置情報を得ることのみを目的としているため、核物質の組成や量の想定は困難であった。本発表では、同じ範囲を対象に各トラック法を適用し、それにより得られた個々の粒子に由来するT数とFT数のデータを組み合わせることで核物質の組成を推定し、粒子の高感度かつ選択的に検出する手法を開発した。ポリカーボネイト製フィルムに閉じ込めた粒子試料を作成し、それぞれのトラック検出材の飛跡を重ねて観察することで、保障措置上重要性の高いプルトニウムや高濃縮ウランを含む粒子の高感度で選択的に検出することが可能となった。
安田 健一郎; 鈴木 大輔; 富田 純平; 富田 涼平; 宮本 ユタカ
no journal, ,
粒子の形状が観察できないほど極微小なプルトニウムやウラン及びプルトニウムが混在している粒子の、ウランやプルトニウムの同位体比を効率的に測定する手法の開発がIAEAの行う保障措置活動において求められている。本研究グループではそのニーズに対応するため、両元素の存在を視覚的に判別するトラック法に基づく手法と、同位体組成の分析中に粒子の加熱温度を変えることで化学分離を用いることなく表面電離型質量分析法(TIMS法)によって同位体組成を高精度に分析する連続加熱昇温法を開発した。トラック法において、それぞれの元素に対して特徴的に反応する検出材を使うことで、粒子がどの元素を含んでいるのかを視覚的に判別するだけでなく、1つの粒子を検出・採取し測定時に元素分離することで、効率的かつ手軽に両元素の同時分析を可能にした。本発表では、開発した技術の概要とそれに基づく測定の例を報告する。